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と同方式のバスで、その連節仕様ともいえる床面すべてノンステップの低床バスである。特長は3点あり、まず第1がディーゼルエンジンによる発電で、2軸目と3軸目に設けたハブモーター(6輪独立懸架)により駆動するシリーズ型ハイブリッドバスということ。第2が、ブレーキ時のエネルギーMDSと呼ばれる慣性エネルギー保存システムに貯めて回生できること。そして第3点は、後部のパワーユニットをDABサービスバスのように後部壁面にアクスルごと集中配置した車両レイアウトである。
このレイアウトにより、ホイールベースは長く、電子制御で3軸目も操舵させて機動性の悪化を防いでいるが、これは旋回時の道路占有幅も小さく路面電車の軌道内も走らせようという狙いがあり、低公害についても、道を選ばない路面電車にしようということが開発の背景にある。従ってこの駆動方式の特長には、ディーゼルエンジンバスの低エミッション化という方向よりも、電車の優れた部分をバスに活かすのが主眼であり、MAN同様に滑らかな加速による快適な乗り心地を調っているのもその証である。ユーザーのコストに対する認識も、対路面電車でカウントしているようで、動力源を架線からの電気によることも、同じく視野に入れてハイブリッドの方式を選択している。なお、展示車はブレーメンで実際に運行予定である。

 

・ケスボーラー(ゼトラ)
市街地路線バスS300NCを中止し(これには、ベンツとの棲み分けが影響している)たゼトラは、低床の都市間路線バスS315NFを展示した。ゼトラの汎用バスシリーズとして、近年同社が力を入れている“コンビバス”系のノンステップ仕様で、従来のS215NRの後継である。用途から座席数を優先したシートアレンジだが、床はホイールベース間は座席下までノンステップ。後部はスロープがあるが、市街地路線バスに近い床面形状である。
外観では、窓の面積を大きくしているのが特長で、もともとこの種のガラスの大きなスタイリングデザインのバスが多いヨーロッパでも、ネオプランのN318Lと並び最右翼である。

 

・バンホール
バンホールは、リヤエンジンタイプのノンステップバスに後部の床を1段ステップとしたA320を加えた。これは、2年前に発表したA360(後部2段ステップ:主に前中2扉用)に比較して、3扉仕様への対応性を高めたモデルである。エンジンの搭載位置などは、ベンツ・MAN同様に横倒しエンジンを後部左寄せで床下に搭載している。

 

・その他
地にもバスメーカーの出品があったが、いずれも目新しいものはない。ノンステップバスは旧共産圏(ハンガリーなど)からも、当たり前に出品されているが、旧西側(MANやベンツ)のシャーシーにボディを架装する場合とシャーシーから自前で用意する2種類の方法が見られる。特に、排出ガス規制の関係でエンジンは旧西側製を採用する例が多いが、なかには自前のシャーシーにカミンズなど非自動車メーカーのエンジンを採用した例もあった。

 

?部品メーカー
パーツとしては、ノンステップバスの特徴的な部品である足回りで、最大手のZFが低

 

 

 

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